山本義則の生歌を初めて聴いたのは、彼の盟友アダチケンゴが平成27年8月23日に川崎セルビアンナイトで行ったフルバンドワンマンライブだった。 その時、山本はキーボードとしてアダチのバックバンドで演奏すると同時にオープニングアクトとしてライブ冒頭に「DON」から2曲披露した時だ。
ミドルトーンでどこかちょっとハスキーな声とピアノの音が凄くマッチしたシンガーソングライターだな。というのがその時の印象。
その会場で、彼の1stフルアルバムの販売があったので早速購入したのがこの「DON~ディ・オー・エヌ」だ。
聴いて驚いたのは、
まず 曲調のバリエーション。ダンスミュージック、ラテン、ジャズ、バラード、そしてロック等と本当にたくさんのバリエーションの曲調に溢れていて山本の音楽性の幅広さを感じさせてくれる。
そして、曲調にあわせてそれぞれの楽器の音色も大きく、時に微妙に変化をもたせている。
加えて、なんといっても、アルバム全体を通してドラムとベースのリズムセクションの音が一般のアルバムよりも大きめにしっかりと録音されていることだ(私の気のせいだったら、恥ずかしいのだけれど・・・)
ピアノ・キーボードを演奏する山本のアルバムだから、ピアノ等がどーんと前面に出てくるのかと思えば、そんなことはない。
「バンド演奏ではリズムセクションがしっかりすると全体的にビシッと締まる。」というのはよく言われることだけれど、それにしても「リズムに凄く重きを置いた録音だな」と思った。
しかし、あとになって本人がツイキャスで「実は自分はもともとベーシストだったんですよね。」と言っているのを聞いて、納得した。
そんな「DON~ディー・オー・エヌ」に収録されているのは以下の13曲。
1 Puzzle
2 はたらきもんスター
3 FEEL IT
4 アイニデアッタ
5 やさしすぎて
6 Sky High
7 ヨオヨ
8 sunrise
9 Never Give Up
10 Meteor
11 幽玄の彼方
12 手紙
13 Life
1 Puzzle
アルバム冒頭のこの曲はもろダンスミュージック。打ち込みのドラムとベースに機械的な音色のキーボードが印象的なのりのりの曲だ。 Puzzleが好きなファンもきっと多いはずだ。
2 はらきもんスター
多彩なキーボードの音色を駆使した収録になっているのがこの「はららきもんスター」。ちょっと機械的な高音、ストリングス系の音、そして、低音のストリングス、その上、ピアノが、重低音のリズムに乗ることで荘厳な雰囲気さえ感じさせる演奏になっている。ボーカルも音を重ねているところと、コーラスを使い分けていて厚みを感じる。
そして、隠し味的にアコースティックギターのフレーズがちょっとおしゃれ。
3 FEEL IT
フルバンドでのロック調にアレンジされたのがFEEL IT。冒頭からリズムを刻むエレキのフレーズ、そしてドラム・ベースが重なっていき、そこにシンセサイザーとピアノが絡まっていくアレンジが凄く格好よく大好きだ。
4 アイニデアッタ
いかにもドラマティックなバラードのアレンジがピッタリと感じさせるような歌詞の「アイニデアッタ」は、なんとレゲエ調のアレンジだ。しかし、切なくもある歌詞がレゲエのラテンの躍動感のあるリズムために重くなりすぎず心地よく聴くことができる。
5 やさしすぎて
ミドルテンポのダンサブルアレンジの曲が「やさしすぎて」。伸びやかなストリングスに重なるロックなエレキギターのカッティング&ソロフレーズが格好良い。
6 Sky high
「Sky high」は一転オーソドックスなジャズアレンジになっている。ドラムはそれまでと違ってシンバルとスネアの音がしっかり、ベースもウッドベースの音色とジャズフレーズ。“おしゃれ”の一言。
7 ヨオヨ
ピアノのみのバックでのバラード。メローディラインに綺麗なピアノの音とそのフレーズが感動的だ。
8 sunrise
ちょっと洋楽テイストを感じるsunriseは、ガットギター(だと思う)のみの伴奏。ナチュラルで柔らかなギターのバックが心地よい。
9 Never Give Up
思わず体が動き出してしまうようなダンスチューン。ドラム&ベースに加えて曲全体を通してリズムを刻むクラップ音で気持ちがグッと盛り上がっていく。ライブでは、相当盛り上がりそうな予感。
10 Meteor
前曲の「Never Give Up」との繋がりが格好良いドラムのイントロが特徴的。ドラム&ベースはナチュラルな音色で、そしてピアノと自然な音色での演奏のジャジーなグルーブ感は最高だ。
11 幽玄の彼方
このアルバムの帯にはこの「幽玄の彼方」の「40年前君も越えてきたのかな」というフレーズが書かれている。山本義則がこのアルバムに込めた気持ちが凝縮された曲なのかもしれない。個人的にこのアルバムの中でPuzzleとともに大好きな一曲だ。
演奏的にはロックで、気持ちを前に前に押し出すようなアレンジになっている。
12 手紙
「手紙」はミドルテンポのバラードだ。重低音のバスドラムと歪んだエレキギターの音がどこかもの悲しげな感じでたまらない。
13 Life
アルバムの最後を飾る「Life」は、伸びやかなシンセサイザーのフレーズとダンサブルなリズム、そして山本の甘いボーカルでで晴れやかで心地よい気持ちになる曲に仕上がっている。
山本義則はこれまで5枚のシングルCDをリリースしてきたが、それらの中の曲も含めて作った今回の「DON~ディー・オー・エヌ」は、今後の音楽活動への決意の一枚ともいえるアルバムなのだと思う。できたら、重低音のしっかり聴く事のできる環境で聴いていたらより楽しめるような気がする。
「是非一枚買ってほしい。」
と書きたいところだけれど、何と音源をオンラインで聴くことが出来るのでまずは是非一度聴いてみて欲しい。きっと気に入ってもらえるはず。
サンプル音源→https://soundcloud.com/yoshinori-don-yamamoto
そして、気に入ってもらえたら、是非。
→ Amazonのページ
*MP3で曲ごとのダウンロードも可能です。
いつもありがとうございます。1曲ずつの解説がその通りだなぁと思いました。
どんちゃんの歌詞は心にどんと入ってきますね。洒落のようにきこえますが(笑)
どんちゃんのワンマンライブ参加予定です。また、行く前に読み返してからライブ参加しようと思います。
とみちゃん さん
コメントありがとうございます。今回アルバムを聴いていて、山本さんは本当に音楽が好きなんだな~と感じる事が多かったです。
歌詞の内容に関することは聴かれる方がそれぞれ感じる事で、素人の私があれこれ憶測で書くべき事ではないと思ったのであえて書いていません。
が、とみちゃんさんのおっしゃる通りと思います。
どんちゃんのワンマンライブ、期待に応えるライブをしてくれると思いますので思いっきり楽しんできてください。