今(平成27年5月12日現在)、買う事の出来るアダチケンゴのソロCDの中で一番古いのが2ndシングルの「You」です。
自分の好きなアーティストを他の人に紹介する場合、自分の好きなCDをプレゼントしたり、そのアーティストの最新CDをプレゼントする人が多いのかもしれめせん。中には、自分の好きな曲をセレクトして聴かせたりする方もいるのかなとも思います。
比較的最新CDをプレゼントする事が多かった私ですが、今回「You」を聴いてみてアダチケンゴを知ってもらうためにはこの「You」とプレゼントするのも良いかも?と考えてしまいました。4曲とアダチケンゴを知らない人が聴くにも丁度良い曲数でありながら、アダチケンゴの色々な面を感じることのできるのアルバムだと思います。
「You」に収録されているのは
1 メッセージ 2 Don’t stop the bus music 3 花のように 4 You
の4曲。
1 メッセージ
アダチケンゴ本人がライブなどでいっている通り「音楽活動をソロで再開する時にその思いをのせて作った」のがこの「メッセージ」。
アダチケンゴで唯一(?)PVがYoutubeにアップされている曲でもあります。
「今も~」といきなりアダチの歌声で始まるこの曲では、エフェクターを強く効かせたエレキギターとピアノ&ブラス、ドラムにベース、さらにはパーカッションまで入る豪華なバックにのってアダチの伸びのあるボーカルが聴く事が出来きます。
ただ、他の曲とはちょっと違うどこか洋楽テイストを感じる格好いいR&Bの曲なので、この「メッセージ」は個人的にはアダチのソングライターとしての才能を強く感じた曲です。
演奏では個人的にギターソロのフレーズが結構ツボにはまって大好きです。
2 Don’t stop the bus music
ライブでの盛り上がりが容易に想像できる「Don’t stop the bus music」。軽快でノリの良いRock-Popなナンバーです。ライブ会場でこの曲を聴きながら大盛り上がりのファンの姿が目に浮かぶよう。そんな「Don’t stop the bus music」ではアダチのライブ・アーティストの面を垣間見る事が出来ます。
バックの演奏はメッセージと同じくフルバンド構成。アレンジ的にギターの音などロックっぽくはあるものの、ピアノやブラスなどで爽やかな印象になっています。
この頃、ライブで演奏していないとも聞くが、是非ライブで聞いてみたい曲の一つです。
アルバムからはちょっと脱線してしまうけれど、このDon’t stop the bus musicでは面白い動画がYoutubeにアップされています。それがこれ。
2013年4月3日(水)に兵庫県・西宮市甲東ホールで開かれたNote Brass Quintet 結成5周年記念コンサートにアダチケンゴがゲスト出演した時の模様です。
ドラムとアダチのギター以外ブラスのみのバックでの通常のライブやアルバムとは一味違った「Don’t stop the music」が楽しむ事が出来ます。
3 花のように
一転、ピアノとギターだけの「この花のよう」にでは、シンガー・アダチケンゴが堪能できます。
ロングブレスにアジのあるビブラート、それに裏声を駆使しながらこの曲を歌い上げていて、まさにシンガー、まさにボーカリスト!
バックについてちょっと書くと、ギターは1番はアコースティック(スティール弦のギター)のみでスタートしていますが、2番からはガットギター(ナイロンガットを弦に使っているギター)の柔らかな音が加わります。そしてそのガットギターのリードのフレーズがアダチの伸びやかなボーカルとおしゃれに絡まりあうことで、この曲をドラマティックで感動的に演出している気がします。
4 You
雑踏の中の足音から始まり、オルゴールのようなビブラフォンの音でのサビのフレーズ。そして、それに続き雑踏の中の足音で終わるタイトル曲「You」は、まるで恋愛映画のエンディングロールのバックに流れているのをイメージしてしまうぐらいに感動的な曲です。
その歌詞は切なく悲しい。
しかし、どこか爽やかな感じさえしてしまうのは、ストリングスとコーラスの加わったバックのアレンジのためだけではないと思います。
この曲は何といってもその流れるようなメロディーが素晴らしい。どんなヒット曲にも負けない綺麗なメロディーラインのために違いありません。
まさに、メロディーメーカー・アダチケンゴの面目躍如の曲といってもいいと思います。
*平成28年10月8日追加
「いつもあると思うな、ケンゴのアルバム」
今ならまだ手に入れることが出来るようです。
アダチケンゴのいろいろな面を感じる事の出来る「You」はアダチケンゴを知ってもらうためにも是非手にしてもらいたいアルバムだと思います。
さて、アダチケンゴを紹介するのに「You」をプレゼントしようか、やはり最新の「ハルカトオクへ」にしようか?ちょっと悩みどころ。
【追記】
このCD「You」は、残念ながら完売してしまって現在は手に入れることが出来ません。また、再販の予定はないようです。
「メッセージ」は平成27年11月発売の「Reborn」で再録されているので、音源を聴くことができます。が、ライブで人気の「Don’t stop the bus music」、ライブで時々ピアノを演奏しながら歌う「花のように」、そしてタイトル曲「You」はどれも名曲だけに音源が手に入れられなくなってしまうのは、本当に残念です。
なので、再録して再びリリースしてくれるのを楽しみにしています。
(平成28年10月8日記)