アコースティックギター、チェロ、ピアノ、ベース、ドラムという珍しい編成のバンドでのライブが、念願の千波湖での野外フェスを成功させた磯山純が次にトライし始めたライブです。名づけて「磯山純Classics-Bandライブ」。
その新しい形のライブが前日の東京渋谷のライブハウスでの公演に引き続き、磯山純のホームというべき好文カフェでH28-6-12開催されました。
まずオープニング・アクトとして登場したのが若手の女性シンガーソングライターの大比良瑞希。
磯山純Classicsの伊藤修平が彼女の初フルアルバムをプロデュースしたつながりから今回オープニングアクトを務める事になったそうです。
Gibson335の柔らかな音色と綺麗なハイトーンボイス、そして、ジャジーなオシャレな2曲を披露してくれました。
大比良瑞希の演奏で会場の雰囲気がリラックスしたところで、磯山純Classics-Bandのメンバーが入場してLive開始です。
<メンバー>
磯山純(ギター・ボーカル)
伊藤修平(チェロ・コーラス)
鈴木孝彦(キーボード・コーラス)
三浦ジャイ剛(ベース・コーラス)
臼井博朗(ドラム・コーラス)
<セットリスト>
1 冬のアルストロメリア
2 桜色の街
3 ファントムバイブレーション
4 ユウゲショウ
5 Rolling Stone
6 スプモーニ
7 買えなかったモカシンブーツ
8 BGM
9 流れ星
10 8cmのヒール
11 空中ブランコ
12 Dance Dance Dance~ラムコークを片手に~
13 花がらを摘むように
~アンコール~
14 幸せのカウントダウン
15 Buy and Sell~未来へのステップ
16 いつか湖のほとりで
ギター・チェロ・ピアノの編成は、昨年のClassicsツアーでも聴いたことがあったのでイメージできたのですが、そこにベースとドラムのリズム隊が入ってどのような演奏になるのか想像できなかったというのが正直なところでした。
静かなバラードの1・2曲目まではほぼ想像していたものでしたが、3曲目のファントムバイブレーションから想像を超える演奏に驚きました。
伊藤はループマシンなどを使ったり(多分、間違っていたらゴメンなさい)、エフェクターを駆使する事でチェロで多彩な音色を出すとともに、圧倒的なテクニックである時にはオーソドックスなチェロストリングス、ある時にはエレキギターのように、そしてある時には効果音的な演奏を聴かせてくれました。
そして、鈴木のピアノも繊細且つ大胆でハード。
チェロとピアノがベース・ドラムに決して負けることなく融合。今までに聴いたことのない新しいバンドサウンドだった気がします。
また、伊藤・鈴木は昨年磯山純Classicsでミニアルバムを作成するとともにツアーで各地でライブをし、更にはプライベートでも非常に仲がいい事もあって演奏はもちろんMCの楽しい掛け合いまで息がピッタリ合ってライブを非常に盛り上げていました。
最後に「いつか湖のほとりで」を椅子が足りなくなるほどの約120人の観客と一緒に歌ってライブは終了しました。
今回のライブでの磯山純を見ていて感じたのは「自信」。
本人がMCでも話していましたが、最初ストリートで歌っても人が集まらない。ちょっと聴いてくれているかと思ったらサビを目前に立ち去ってしまう。「人がいない、またいなくなるのを見ているのが嫌で目をつぶって歌うようになったんです。」と笑いながら言っていたことはあながち冗談ではないのかもしれません。
そこからスタートして夢であり目標であった千波湖での1万人規模の野外イベントを5月14日に無事成功させた事。
そのことで付けた自信がひしひしと伝わってきました。
ライブの冒頭ボソッと「諦めずにコツコツ続けていれば、夢をちょっとは実現できる事をお見せできたと思います。」と語った事にも現れている気がします。
自信をつけた磯山純がこれから今回のClassics-Bandライブを皮切りにどんな良い曲・新しい音楽を聴かせてくれるのか楽しみになったライブでした。