「千波湖で1万人クラスの野外コンサート」
この目標のステップとして磯山純が自分に課したのは、茨城県民文化センター大ホール(座席数1534)でのワンマンライブだった。
本人がFacwebookで書いている通り
「それまで460人のホールでしかやったことがなかったから、決めたときも、本当に躊躇したし、平たく言うとビビってた。3月15日までビビってましたw」(From 磯山純Facebook)というのは、偽りのない本心だったろう。
観客を動員できるかという不安はもちろん、本人は言っていないが会場や機材のレンタル料をはじめバンドメンバーのギャラ等決して少なくない、いや大きな経費をしっかり捻出できるか?!ということだって心のどこかにあったはずだと思う。
普通だったらそれだけで「ビビってたw。」なんてことじゃすまないのに、その上彼はライブ直前になって、新たな挑戦を加えた。
それが、このDVDの作成!
(16曲入り ¥4000)
それもカメラ1個の記録映像に毛の生えたようなものではなくカメラ8台を使った本格的なライブDVDの作成だ。
本人は軽く「先行投資」というが、多分、自分のキャリアの中の大きなマイルストーンになるLiveを出来るだけ良い形で残し、且つたくさんの人に見てもらいたいという強い気持ちが彼を動かしたのだと思う。
このDVDをすでに手にして何度も見た方は実感された通り、その出来はギターのマコトがライブの後のブログで「個人的にはあれだけ作り込んだのでバンドでツアーとか周りたいですけどね。。」と書くぐらいプレーヤーも満足のいく良いライブになっている。
また発売前には磯山純自身も「ライブの映像もいいけど、音、むっちゃいいよ。これだけでも充分。だと想う。」とTwitterに書き込んでいる通り、自信作になっていると思う。
そんな磯山純の記念すべきライブDVDには「サポートメンバー、本当素敵ミュージシャンです(From磯山純twitter)」をバックに楽しそうに、そして気持ちよさそうにのびのび歌う磯山純がしっかりと記録されている。
以下、各曲について「まだライブ映像観て、聴いてるけど、いや?いい。メンバーの優しさや、こんなことしてたんだ!ってのが観る度いろいろ気付けて楽しい★」(From磯山純Twitter)のつぶやきとはどんなところだろう?なんて事を思いながら見たDVDの感想をちょっとメンバーの演奏を中心に感想をレポートする。
(素人の個人的な感想ですので・・・、何卒ご了承を。また、文中に「金井の」や「 cob84の」との表現がありますが、私が聞いての推測ですので、もし間違っていたら申し訳ありません。)
メンバー
ボーカル:磯山純 ギター:マコト キーボード:金井央希 キーボード:coba84
ベース:天神タケシ ドラム:稲田一郎 パーカッション:桑迫陽一
コーラス:平出夏生
この記念すべきライブは磯山純がインストアライブやイベント、そしてストリートライブなどでも最初にやることの多い「Knock」からスタートする。
1 Knock
マコトの高い音のカッティングとベース&ドラムのイントロは、「さあ~ライブが始まる!」という気持ちを否が応でも高めてくれる。ミドルテンポの曲ながら、マコトの軽快なカッティングギターと天神のノリのいいベースライン。そしてそこに金井のちょっとジャジーでおしゃれなフレーズが混じるピアノで「こころウキウキ」的な心地良い演奏になっている。
2 テナント募集
曲の後半に向けてどんどん盛り上げていくギター&金井のピアノ、しっかりとしたドラムの気持ちよいアレンジになっている。
3 空中ブランコ
稲田一郎の格好良いカウント映像から始まる空中ブランコは、RockPopのアップテンポの曲だ。ここで磯山純はギターをタオルに持ち替えステージを縦横無尽に走り出す。
観客席にも照明が当たり、観客の本当に楽しそうな顔が印象的だ。
ここでのロック調の音色のマコトのギターとcoba84の出すブラス音の組み合わせがたまらなく格好良い。
4 ラブユーベイビー
ファンにはおなじみだが音源化されていないラブユーベイビーは、磯山純の楽曲の中でもファンキーな曲のひとつだ。この曲では、磯山純と観客のタオルパフォーマンスが会場の一体感を見せている。そして、曲全体を通してのマコトのカッティングが格好いい!そしてなんといっても金井とcoba84のソロが聞き所。二人とも思わずスキップしたくなってしまうような軽快なソロを聞かせてくれる。そして、その二人のソロをバックで支える他のメンバーが笑顔が最高。
5 ゴーグルウルトラマン
ゴーグルウルトラマンの収録されているCDはライブ当日発売された。
ここで再び磯山純はギターを持つが、磯山のアコースティックギターとマコトのエレキギターのイントロが鳥肌が立つぐらい格好良い。そして、それに加わる天神のベースと金井のピアノのフレーズがこれがまた秀逸!この曲のソロではチョッパーも使っての天神のベースと稲田のドラムの掛け合い。加えてマコトのギターとcoba84の掛け合いも聞き逃せない。全体をとして桑迫のパーカッション隠し味的にファンキーさを盛り上げている。
6 桜色の街
これもライブ当日発売のCDの収録曲。ミドルテンポのバラードのこの曲では稲田のタイトにリズムを刻むドラムとcoba84の出すストリングス音と金井のピアノ、そしてちょっと切ないベースフレーズが大きなスケール感を演出していて印象的だ。
7 Father
金井のオルガン音でのちょっとジャジーなフレーズ、coba84のシンセ音での伸びやかなフレーズ、隠し味的なマコトのおしゃれなフレーズが曲の後半に向かってドラマティックな雰囲気を盛り上げている。
8 BGM
発売前に磯山純本人がTwitterに書き込んだ通りだ!
「ライブ映像のBGMがやばい。(BGMって曲ね)音もクリアだなぁ。
パソコンかパソコンくらいのテレビで観て、ヘッドフォンで聴くのがいいかも。」
(From磯山純Twitter)
9 ダンデライオン
ドラムラインとどこか切ない雰囲気のマコトの分散コードを使ったギターが最高の組み合わせに感じる。そして最後にマコトの泣きのギターも聞き所か。是非、マコトのギターをじっくり聴いて欲しい。
10 clap clap clap
一転、ファンクでPopな雰囲気に。この曲で好きなのは、天神の奏でるベースのファンキーなフレーズ。そして、時々入ってくるマコトのカッティングだ。バラードセクションで静かになった気持ちを再びウキウキ気分に切り替えるのに最適な演奏になっている。
11 Dance Dance Dance~ラムコークを片手に~
ギター&キーボードの音色、ドラム&ベースのリズムラインもまさにディスコサウンド!!ファンク&ソウルの定番のアレンジが気持ち良い。 加えて、ベース天神が曲にベストマッチのボタンフライのフレアジーンズにアフロヘアーのところが注目!桑畑のパーカッションも目立たないがノリノリだ。
12 スプモーニ
磯山純を良く知るファン達が日頃のトレーニングの成果を試される(?)体力勝負の一曲。ライブ後半の最高の盛り上がりの曲だ。とにかく、ノリノリの演奏。
13 流れ星
大好きというファンも多い磯山純の代表曲の1つが流れ星。全体でも1・2を争うバンドの一体感が感じられる演奏になっているような気がする。しっかりとしたリズム隊、そしてマコトのカッティング、金井の分散コードとコードで刻むバックにcobaのゆったりと流れるようなシンセメロディ、そして平出のコーラスが気持ちよく晴れ晴れとした気持ちにしてくれる。完成度の高さを感じる。
(アンコール)
14 forgive
アンコール1曲目はバラードを磯山純のアコースティックギター一本で。これもBGMと同じで本当にクリアな音で録音されている。ヘッドフォンで聞くのも良いかも!
15 愛のカタチ
ライブ当日発売したCDに収録されているバラードでハウスメーカーのイメージソングになっている曲は金井の綺麗なピアノとcoba84のストリングス、そしてマコトのギターがスケールの大きい雰囲気をかもしだしている。。
16 いつか湖のほとりで
オーラスはやはりこの曲。金井のピアノのみの伴奏で始まりだんだん楽器が加わって演奏の厚みが増していき、そこにマコトのギターソロと流れていくcoba84のシンセが会場全体をドラマチックな雰囲気に変えていく。ライブの締めくくりとしてはぴったりな楽曲・アレンジ、そして演奏になっている。